NHKマイルカップの競馬予想
皐月賞、ダービー、菊花賞、そして桜花賞にオークスというのが、古くから「クラシック」と称される、3歳馬にとって特別なレースであり、ファンからしてもまた特別な意味合いを持つレースである。
しかし、「世代の頂点を決するレース」という言い方をした場合、もしかしたらこの5大レースの名前は1つも出てこない可能性もある。
というのも、5月の府中で行われる芝のマイル戦・NHKマイルカップの名前を挙げる人が多くなりそうだからである。
日本ダービーが数あるGIレースの中でも頂点として位置づけられていることは習慣的に当たり前のこととなっているが、こちらNHKマイルCのほうはと言えば、まだ創設されて15回(2010年6月現在)の歴史にすぎないながらも、これまでに早くも「名馬」と呼ばれたような勝ち馬を数多く輩出してきたレースなのだ。
凱旋門賞挑戦を果たし、本当に惜しい競馬で2着という大偉業をやってのけたエルコンドルパサーを筆頭に、日本調教馬で海外GIを初めて制したシーキングザパール、のちにダートの最強馬として伝説となったクロフネなど、ちょっと思い出すだけでものすごいレベルの馬たちがこのレースを勝っているということがわかる。
これ以外にも、NHKマイル→ダービーというステップを華麗に踏んで、有無を言わせない「世代のチャンピオンホース」となったキングカメハメハはなんとマイルのGIで5馬身差の圧勝、そしてキングカメハメハと同じステップを踏んだディープスカイは、インコースばかりが伸びる馬場の大外を悠々と差し切ってのゴールという、世代では他に追随することを許さないような強さを見せつけ、この2頭は「変則2冠馬」となった。
馬券的に大波乱を呼ぶレースとしても知られるが、やはりここは「名馬誕生の瞬間」に立ちあえる可能性を最も秘めたレースであると言っても過言ではない。
そんなハイレベルの戦いが約束されているのが、忘れてはならないNHKマイルCの大きな特徴である。