有馬記念 競馬予想

有馬記念の競馬予想

数あるGIレースの中でも、「特別なレース」となるとそれほど多いわけではない。
もちろん、その人その人にとって「特別」にはいろいろなとらえ方があろう。
しかし、すべての競馬ファンにとって間違いなく「特別」であると言えるのは、日本ダービーと、暮れのグランプリ・有馬記念だろう。
歴史という意味では日本ダービーに大きく劣る有馬記念であるが、見る者に与える感動はダービーにも決してヒケをとらない。
有馬記念からもいくつもの名勝負、名シーンが生まれてきた。
古くはシンザン。
伏兵ミハルカス(加賀武見騎乗)が、直線で馬場の良い大外に持ち出したその外からシンザンが追い込んだという、近代競馬ではちょっと考えられないようなレースをシンザンが優勝したのは、まだ第10回(1965年)のことだったそうだ。
このときには、シンザンがあまりにも外を通ったために「シンザンが消えた」という言葉が生まれたと言う。
そして、このときまだ私は馬券などまったく買ったことがなかったオグリキャップの引退レースとなった有馬記念だろう。
このレースをきっかけとして、女性の競馬ファンも急増したという。
競馬のイメージを一掃したレースと言っても過言ではない。
これは競馬ブームの火つけ役として高い評価を得たレースであるが、個人的にはオグリキャップはこの有馬記念以前のレースでのすごさのほうが感心させられる気持ちもある。
そして、トウカイテイオーの「奇跡の復活」では再び日本中を感動の渦に巻き込んだ。
私の中の有馬記念は、現在(2010年6月)のところ、あのレースがベストレースである。
このように、有馬記念という1年で最後の最後の舞台でたびたび起こるのが「復活劇」である。
その後も不振にあえいでいた怪物・グラスワンダーが劇的な復活勝利を上げて怪物の威厳を取り戻し、翌年の有馬記念も優勝を果たしている。
他にも「皇帝」シンボリルドルフの「何事もなかった」ような連覇など、印象深いレースが多い。